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桜蔭と女子学院が併願可能になるサンデーショック

入学後は放任主義の桜蔭と女子学院、しっかり勉強させる豊島岡

杉浦由美子 ノンフィクションライター

大手学習塾が開いた中学受験の説明会。父親の姿も目立った=2008年10月、名古屋市東区拡大大手学習塾が開いた中学受験の説明会。父親の姿も目立った=2008年10月、名古屋市東区
 東京の中学受験で、女子校御三家といえば、桜蔭、女子学院、雙葉の3校である。特に水道橋の桜蔭は、毎年、1学年約230人中70人前後が東大に合格する女子校で、教育熱心な親の憧れである。平年、御三家は3校とも受験日が2月1日の1回のみで併願ができない。

 ところが今年は2月1日が日曜日のために、プロテスタント校の女子学院が礼拝を優先するためか、入試を2日にずらした。結果、御三家の桜蔭と女子学院が併願可能となる。これを中学受験業界では「サンデーショック」と呼ぶ。毎年2日に入試をし、桜蔭の滑り止めとして伸びてきた豊島岡などにも影響がでてくるからだ。

 桜蔭と女子学院は入試問題傾向がまったく違う。桜蔭は大学入試レベルを求める難問を出し、女子学院は平易な問題を大量に解かせ、テクニックや要領のよさを求める。これらの入試対策に関しては中学受験情報雑誌やサイト等で詳しく論じられるだろう。

 今回の記事では、偏差値最高峰の桜蔭の併願校として、女子学院と豊島岡のどちらを選ぶべきかという問題を、学校のカリキュラム面などの内容面から考えることで、私立中高一貫校全体の実情について見てみよう。

 さて、なぜ、親は子供を中学受験をさせるか。

 コミックエッセイ『ママ友のおきて』(又野尚・ぶんか社)の中で、ベッドタウンに住む中学生のママが”私立中は授業料が高いけれど、学校で補講をしてくれるので塾代がかからない。公立中は授業料はないが、塾にいかせる必要がある。結局、私立も公立も同じぐらい教育費がかかるのよね!”というふうに風に嘆くシーンがある。

 世帯収入が増えていくとも思えない時代、親も教育費もできるだけ節約したいと考える。庶民たちは「塾代を考えると、私立中高一貫校の方が結局安上がりだ」と判断して、子供に中学受験をさせるのだ。

 教育にコストパフォーマンスを求める年々傾向は高まっており、多くの私立校は「補講、宿題、小テストをちゃんとやって、塾に行かずに大学受験対策ができる」のをセールスポイントにしている。その筆頭が ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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