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アジアトップ級のサッカー、8強で現実的強化策に

守勢の相手を崩しきるプレーが不十分だが、アギーレ監督と相性がいい日本代表

 地元オーストラリアの優勝で2015年のアジアカップは幕を閉じた。日本は準々決勝で、最終的に3位になったアラブ首長国連邦(UAE)に、PK戦で敗れた。

 日本がアジアカップの準々決勝で敗れたのは、1996年UAE大会以来。ワールドカップの常連国になってからでは最低の成績ということになる。

 「日本代表の力はどん底まで落ちたのか?」

 「2018年ワールドカップは大丈夫なのか?」

 「アギーレ監督に任せ続けて良いのか?」

 こういった悲観的な疑問が飛び交っている。

 しかし実際にチームを深く取材した感触はまったく違う。

前回の8強と違う内容、最も優れたチームは日本

 今回のアジアカップで、日本の前評判は優勝候補最右翼だった。1次リーグを3戦全勝無失点で勝ち抜いたあと、その評価は揺るぎなくなった。1次リーグの総得点は7にとどまったが、絶好機の数からすれば、その数字が2倍以上になっていてもおかしくなかった。

 ボール保持率はどの試合も優位。勝敗に直結する数字ではないが、いつも通りの日本ペースで試合をしていたことを証明するデータだ。
アジアで強豪国といわれるオーストラリア、韓国、イランと、仮に今大会で対戦していたらと考えると、やはり日本が主導権を取って試合を進めていただろう。

 地元メディアが日本を評するときの決まり文句は「見て楽しいサッカー」だった。そこを基準とするならば、日本は間違いなく大会ナンバーワンだ。

UAE戦の後半36分、柴崎が同点シュートを決める=2015年1月23日拡大UAE戦の後半36分、柴崎が同点シュートを決める=2015年1月23日
 サッカーというゲームの本質は、得点を競って相手に勝つことにある。本質的な評価をするときに、スペクタクルかどうか、という議論に心を奪われてはいけない。そういった注意事項に十分気を配った上でも、日本は大会でもっとも優れたチームだった。

 やはりベスト8止まりだった1996年アジアカップを、私は日本代表に同行して取材した。三浦知良や井原雅巳といったベテランに五輪代表で活躍した前園真聖を加えたチームだった。1次リーグを2勝1分けで勝ち抜き、準々決勝でクウェートに0-2で敗れた。当時も前評判が高かったが、大会が始まってみると他チームとの力の差はあまり感じられなかった。1次リーグでも相手の勢いに飲まれる展開があった。クウェート戦は、相手の屈強なFWとテクニカルなMFが繰り出す逆襲速攻に翻弄された。

 UAE大会は各会場間の輸送が素晴らしく、すべての試合をスタジアムで取材できた。優勝したサウジアラビアと3位のイランは、当時の日本には勝てそうにないと感じた。2015年の準々決勝敗退と1996年の8強止まりには、内容で大きな隔たりがある。

 準々決勝敗退という結果に対する、「日本の力はどん底まで落ちたのか」という問いに、現場での取材をもとに答えると、

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