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年齢で難航したイチローの新天地、偉業達成は微妙

マーリンズが示した敬意、しかし厚いレギュラーの壁

出村義和 ジャーナリスト

マーリンズ入団の記者会見に臨んだイチロー=2015年1月29日、東京都千代田区拡大マーリンズ入団の記者会見に臨んだイチロー=2015年1月29日、東京都千代田区
 所属先が難航していたイチローのメジャー15年目が間もなく始まる。1月29日に行われたマイアミ・マーリンズ入団会見は遅かった春の訪れを待ちわびていた喜びで溢れるように独特のトークが熱を帯びた。

 マーリンズのデービッド・サイモン球団社長以下エグゼクティブ3人がこの日のために来日するという異例の会見。ここまで50人を超える日本人メジャーリーガーが誕生しているが、こうした形での会見は初めて。イチローのテンションはさらに上がっていたようにみえた。

 華やかさと期待感に溢れたひとときは流れたが、イチローは厳しい現実に直面することになる。それは本人が痛切に感じていることだろう。会見が終わったあとの囲み取材で契約するまでの心境を次のように語っている。

 「ペットショップで並んでいるかわいい子たちがどんどん売れていって、ちょっと成長した犬が残っていく、みたいな状態ですかね」

 ヤンキースからFAになったオフのイチローには興味を示す球団があっても、実際にオファーするまでには至らなかった。現地でも野球殿堂入り間違いなしと太鼓判を押されているほどの超大物であるがゆえに敬遠された部分もある。しかし、獲得を躊躇させていた最大の要因は41歳という年齢だ。メジャー球界ではスカウトが逸材を見つけて球団に報告するとき、真っ先に聞かれるのは選手の年齢だというぐらい最重要事項なのだ。

 新しい年が始まり、現地ではキャンプインまでのカウントダウンが始まろうとしている時期になってやっと契約にこぎつけたイチローはベンチ入り25選手のうち、順位をつければ23番目以下の選手ということになるだろう。

 それでもマーリンズが

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筆者

出村義和

出村義和(でむら・よしかず) ジャーナリスト

ジャーナリスト。1950年、東京生まれ。法政大学社会学部、ユタ州立大学ジャーナリズム科卒。ベースボールマガジン社でアメリカ総局特派員、週刊ベースボール編集長などを務め、86年からフリー。ニューヨークを拠点に、スポーツから政治、ビジネスまで幅広い範囲をカバー。2005年に帰国後、新聞、雑誌などに執筆する一方で、スカパー!「MLBライブ」の解説を務め、09年からはJスポーツでMLBの解説者となる。著書に『英語で聞いてみるかベースボール』『メジャーリーガーズ』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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