日本にも専門教育を受けられるバレエ学校をつくるべきでは
2015年03月03日
ところで、伊藤さんはリスボン国立芸術学院舞踊学校、金原さんはモナコ王立バレエアカデミーと二人とも海外留学中だ。入賞は逃したが、ファイナルに残ったもう一人の日本人、速水渉悟さんもドイツ・シュツットガルトのジョン・クランコ・バレエスクールに留学中。
これを見て、バレエダンサーとして活躍するには早めの海外留学が必要なものなのかと感じられた方もいらっしゃるかも知れない。もちろん、バレエは西欧発祥の芸術だから、その文化が生活にも根付く土地で学ぶことは大いに意義があるし、日本にはない充実したカリキュラムでのバレエ教育を受けることができるのも事実だ。だが、昨年1位を獲得した二山治雄さんや、2012年に1位を獲得した菅井円加さんは、日本で生活しながらバレエに取り組んでいた。どちらもローザンヌのスカラシップで、その後、海外での教育を受ける機会を得たわけだ。
さらに言えば、留学経験がなく海外で主役を踊るダンサーになる例がないわけではない。現在、英国ロイヤルバレエ団ソリストで主役の機会もある金子扶生さんは、ブルガリアのヴァルナ国際コンクールで1位など海外での賞歴は多数あったが留学経験はなく、高校卒業まで、幼い頃から通う日本のバレエ教室と学校を両立させながら過ごし、英国ロイヤルに入団した。これはかなり稀有な例ではあるが。
バレエ留学をするかどうか、また何歳くらいで、というのは、それぞれの事情でさまざま。どうするのが良いということは一概に言えないが、近年、バレエ留学の機会が増えていることは事実だ。
そもそも、バレエ留学とは何か? 西欧やロシアでは、プロのバレエダンサーの卵は、だいたい10歳前後からバレエの専門教育が受けられる“バレエ学校”に入学する。日本で公演を行ったことがあるロシアのボリショイ・バレエ学校、フランスのパリ・オペラ座バレエ学校等
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください