杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
桜蔭と女子学院はサンデーショックでも揺るがず志願者が増え、豊島岡は志願者減らす
2015年の中学入試が終わった。今回は中学入試で数年に一度訪れる「サンデーショック」の年であった。女子校御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)の入試が集中する2月1日と日曜日が重なったので、プロテスタント校の女子学院は日曜礼拝を優先し入試日を2日にずらす。そのため、偏差値上位層の女子校入試に番狂わせが起きるのだ。まさにショック状態となる。
今回の記事では、2015年の中学入試を振り返ることで、中学入試や女子教育の現状について考えてみたい。前半では、情報化は進んでもまだまだ学校選びにおいてはブランド力やマスメディアの影響が強いことを、後半では大学付属校の復活と女子教育のトレンドの変化について言及していこう。
今回の入試でまず目を引いたのは、メディアの影響の強さだ。
六本木の東洋英和には前年の2倍近くの志願者が殺到した。理由は2014年にNHK系列で放映された連続ドラマ小説『花子とアン』の舞台であるからだ。放映中に女性週刊誌の編集者が「来年の東洋英和の受験は志願者が相当増えるようです」と話していたが、実際その通りである。東洋英和も現在は進学校のカリキュラムになっていて、外部の大学受験に向けてきちんと面倒をみてくれる。
一方で、芸能人スキャンダルの舞台になった名門共学校Zは、大きく志願者を減らした。女優の江角マキ子は
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