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御三家ブランド力の強さと共学付属校の人気(下)

女子に成城と成蹊の人気がある背景には「学力以外に“空気を読む力”を身につけたい」

杉浦由美子 ノンフィクションライター

塾講師らの激励を受け、試験会場に向かう受験生=2015年2月4日、さいたま市緑区の私立浦和昭の星女子中学校拡大塾講師らの激励を受け、試験会場に向かう受験生=2015年2月4日、さいたま市緑区の私立浦和昭の星女子中学校
 「中学入試の総括」の後半では、付属校の人気復活を通して、女子教育のトレンドがキャリア志向からワークライフバランスへ移行したことをみていきたい。

 1980年代に中学受験で人気だったのは大学の付属校であった。聖心や跡見といった名門女子大や短大にエスカレーター式であがれる付属女子中学のは人気で難易度も高かった。ところが、昨今は付属校は苦戦している。理由は大学受験が楽になっているからだ。大学入試に比べて中学入試は楽だから、大学の付属中学に入れるというメリットはもう存在しない。現在、早稲田と慶応以外の付属校では生徒たちは外部受験を意識する。つまり、付属校も進学校としての要素を求められるのだ。そのため、付属校も改革をしているためか、この数年でいくつかの付属校は人気が復活している。

 成蹊と成城のふたつの名門中堅私大付属(系列)中学は今年も志願者を増やし、特に女子からは支持されている。なぜ、このふたつの学校は女子に好まれるのか。両校とも東京らしいスマートな校風で共学校として伝統がある。女子校や男子校を共学化した学校と違い、男女を共に教育することに通じている。共学らしい共学であることが、人気の理由だ。

 男女別学が敬遠される傾向が続くが、特に女子校アレルギーをもつ受験生は目立つ。

 単純に学力だけつけたいなら、男女別学がいいのだ。全国的にみても、東大や国立医学部への合格者が多いのは、灘、開成、筑波駒場、桜蔭……といった男子校女子校だ。男子校女子校は異性の目がないので ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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