「弱者」を集団で殺害する1980年代後半~90年代前半型犯罪だった川崎中1殺害
2015年03月24日
いずれも加害者たちは未成年で(名古屋アベック殺人事件は主犯が成年)、集団で暴行の末、被害者を無惨にも亡き者にしている。「市川4人一家殺人事件」は未成年が一人で何の罪もない、幼児を含む4人を殺害した。「綾瀬女子高生コンクリ殺人事件」は検察が「わが国犯罪史上においてまれに見る重大かつ凶悪」とまで評した事件だ。その内容を語るのもおぞましい事件だった。まずは被害者のご冥福を心よりお祈り申し上げたい。
今回の「川崎市中学生殺害事件」で逮捕された少年たちも「1980年後半~1990年前半型」の犯罪と同様、未成年であり、「弱者」を集団で殺害している。「1980年後半~1990年前半型」犯罪と類似しているのは、加害者たちが不良少年のように報道されている事だ。が、実態は多少、異なる。「1980年後半~1990年前半型」犯罪のいずれも、暴走族やヤクザではなく、不良少年を「かじった」程度の少年たちである。
「綾瀬女子高生コンクリ殺人事件」の主犯格もヤクザに属していたとされるが、実際は事務所に出入りしていただけで、暴走族にも入っていなかった。「市川4人一家殺人事件」の関光彦死刑確定囚も、「キレたら何をするか分からない」と言われていたが、実際はヤクザの追い込みに恐れて、強盗に入った家で殺害に及んだ。彼は永山則夫に継ぐ、戦後2人目の未成年の死刑確定囚だ。当時はチーマーや関東連合等が隆盛を誇っていた。これら武闘派の不良少年らが都内を暴れていた頃であるが、彼はその集団に入る事も出来なかった。弱者にはコワモテだが、自分より強い者には逆らえなかった訳である。
川崎市中学生殺害事件で逮捕された少年たちにも同様のことが言える。写真を見る限り、どうしても不良少年ではなく、今で言う「マイルドヤンキー臭」がする。また、彼らは決して地元の不良少年たちを仕切っていた訳ではなく
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