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女子が面接に強いのに男子が採用される理由(上)

採用試験の男性面接官が女子学生に高い点数をつけるのはなぜか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 2000年代後半ぐらいだろうか。新卒採用市場では「女子の方が優秀。採用試験の結果で上からとっていくと女子だけになってしまう。下駄を履かせて男子を採用する」と言われてきた。ところが、2014年ぐらいからこの「女子の方が優秀」という声を聞かなくなり、雑誌やネットニュースなどでも「女子の方が優秀神話が揺らいでいる」といった趣旨のことが掲載されるようになってきた。今回は「女子の方が優秀神話」崩壊の原因を考えるために、前半では「なぜ、新卒採用の面接では女子の方が優秀なのか」ということを言及し、後半では「女子の方が優秀でも下駄を履かせてまで男子を採用したいのはなぜか」を分析してみたい。

就職活動が解禁され、合同説明会も開かれた。学生にとって勝負の春がスタートした=2015年3月1日、東京都渋谷区拡大就職活動が解禁され、合同説明会も開かれた。学生にとって勝負の春がスタートした=2015年3月1日、東京都渋谷区
 新卒採用に関しては筆記テストや学力試験が課されても、実際には面接試験中心であることは広く知られるところだ。

 ある企業の人事担当の女性社員は、苦笑いをしながらこう話す。

 「最終面接は男性幹部社員がします。彼らが決定権を持っています。中高年の男性からみたら男子よりも女子の方がよく見えるに決まっていますよ。大半の人間は異性、特に若い異性に点数が甘くなるからです。たとえば、イケメン大学生が『テニスサークルで代表をしていました』とさわやかな笑顔でピーアールすると、おじさんだとそのイケメンぶりに嫉妬や反発を感じるケースも出てきます。それよりは、女子学生が『ボランティアのNPOの運営に参加していました』と、元気にピーアールした方がおじさん面接官の評価は高くなりがちです。面接試験というのは主観的なものですからね」

 20代の転職市場も活性化しており、大手企業などは転職組でいくらでも優秀な人材が採用できるはずだ。なのに、どうして、新卒採用をするのか。その最大の理由は、自社のカルチャーを継承してくれる器を求めるからである。

 「他社の現場を知っている中途採用者にはない”処女性”を新卒には求めるます。他の男を知らない女性を、俺好みに育てる……みたいなものですね。そういう基準だと女子が好まれますよね。やはり男子は主張しますし、アイデンティティが確立していますから」(企業人事担当者)

 中途採用であれば、働いてきた経験や成果を確認していくので、実力主義になっていく。だが、新卒採用の場合は、応募者にはキャリアがないので ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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