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日本は飽食?栄養の世代間格差はなぜ起こる(上)

中高年男性らが肥満に悩む一方で、20代女性の約2割が痩せ状態

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 20代日本人女性の摂取カロリーの低さが問題になっている。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2013年)によると、日本の20代女性が1日に摂取するカロリー量平均値は1628キロカロリーで、飢餓が深刻化するソマリア国民の1日のカロリー平均摂取量1696キロカロリー(FAOSTATより、2011年分)より少ないのだ。

 そのため、20代女性の約2割が肥満度を示す数値BMIが18.5未満の「やせ」の状態にある。貧血が深刻化し、ホルモンバランスが狂うことから不妊の問題も生じる。昨今、低体重の新生児の増加しているのも母親たちの栄養不足が原因という声もあり、医師や栄養士たちなどの専門家たちはかなり強い危機感を持っている。一方で中高年男性たちを中心に肥満に悩む層も同じ日本には存在するのだ。肥満は先進国の多くが抱える問題だが、なぜ、日本の20代の女性たちはやせ細っていくのだろうか。

 「飽食の時代」と言われるが実は若い世代にとってはそれは少し違うのかもしれない。

 東京私大教連は、2014年入学の首都圏私大下宿生の生活費が1日867円という調査結果を発表した。保護者からの毎月の仕送りから家賃を引いた金額を30で割った数字である。もちろん、バイトをすれば生活は楽になるが、現在、大学はレジャーランドではなく、しっかり勉強をさせる場所に変化している。

 地方から上京し、私立大学の理系学部で学んでいる女子学生(21)はいう。

 「実験や課題をこなすのに忙しくて、バイトは週末の塾の講師だけしかできません。理系なのでそんなにお洒落にしなくてもいいのだけど、それでも最低限の洋服代や美容院代はかかるし、友達とスターバックスでお茶すると300円出ていくし、たまにはコンサートや映画にも行きたいです。そうすると

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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