宝塚歌劇の新しい世紀の幕開けで橋渡しをした柚希礼音さん
2015年05月07日
記念すべきメモリアルイヤーの先頭を走り続けてきた“トップ・オブ・トップ”と言われる柚希礼音さん。彼女の華麗なる男役の見納めとなる最後の舞台を東京宝塚劇場で観てきた。ミュージカル「黒豹のごとく」もレビュー「Dear DIAMOND‼」も、全てが柚希礼音のために作られていた。“深く、しなやかで、しかも俊敏”という魅惑的なイメージを持つ黒豹と呼ばれた海軍将校役、そして柚希さんを“ダイヤモンド”に見立てたレビューも演出家達の彼女への想いが溢れたステージだった。
100周年から101年目を迎える歴史的な瞬間の橋渡し役という重責を柚希さんは果たしてきた。できればこのまま永遠にこの場所にいて欲しいと、ファンの誰もが思っているだろう。しかし、柚希さんだけでなく宝塚では男役トップになった日から卒業に向けてのカウントダウンがすでに始まっている。その日がいつ来るのかは分からない。そんなトップの座を最長に迫る6年あまり柚希さんは務めてきた。「トップは立派で完璧でなくてはならない」。そんな想いに囚われてしまった時もあったという。そのプレッシャーの大きさは想像すらすることは出来ない。そこに立ったものにしか分からないし、また400人を超える宝塚の生徒の中でも頂点に上り詰めることが出来るのはほんの一握り・・・・・・。
今でこそダンス、歌、演技と三拍子がそろい、しかも本物の男性よりも“男”を感じさせる柚希さんだが、入団当初からダンスは得意だったものの、実は歌も演技も苦手で、若い頃は先輩から本当に厳しく指導され涙を流したことも一度ではない。そんな劣等生だった彼女
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