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高速道路のマクロ効果を議論する力を持とう(下)

経済効果や交通量分散をバランスよく論じなければいけない

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

テープカットして開通を祝う地元の子どもたちや関係者=2015年3月8日、神奈川県海老名市の圏央道海老名南JCT拡大テープカットして開通を祝う地元の子どもたちや関係者=2015年3月8日、神奈川県海老名市の圏央道海老名南JCT
 読者のみなさんが気にするのは、それで渋滞は‘解消’したのか、経済効果はあったのか、交通量は分散したのか、そうなっていないじゃないか、問題だ、施政者は謝罪せよ、という趣旨のものだろう。道路整備の計画に対する論評は、そうしたミクロの視点と、前述したマクロの観点を、バランスよく論じなければならない。

 東京都・川崎市・横浜市の境目に在住し、休日はコンスタントに東名道・中央道・第三京浜と各首都高を使い分ける個人倉沢としては、確かに中央環状道の全通によって受けた恩恵はわずかでしかない。むしろ首都高上り線の渋滞の先頭が都心環状線(谷町、三宅坂)から中央環状線(大橋、西新宿)に移って渋滞が後ろ伸びしかえって迷惑、という程度しか認識ができない。まして平日や
深夜の長距離トラックの到達時間短縮による経済効果を個人が認識できるはずもない。一方でたまに利用する東名~湾岸線、中央~大宮線などでは画期的な時間短縮に明らかな効果を感じる場面もある。

 こうしたミクロの課題の解決(例えば上記大橋ジャンクションの速度ダウン箇所や三軒茶屋出口の形状が原因となる渋滞の解決)に対する具体策の提示と、マクロな経済効果等の調査結果のわかりやすい説明とを、政府・自治体・高速道路会社が上手に使い分ける必要があり、また受け取る住民・市民・国民も上手に聞き取る必要がある。

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

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