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FIFAの不正問題に入った外圧の鋭いメス(上)

「暁の逮捕劇」を目撃し帰国した田嶋新理事に聞く

増島みどり スポーツライター

不正疑惑の捜査で急きょ記者会見するFIFAの報道責任者ワルタ・デグレゴリオ氏=2015年5月27日、スイス・チューリヒ不正疑惑の捜査で急きょ記者会見するFIFAの報道責任者ワルタ・デグレゴリオ氏=2015年5月27日、スイス・チューリヒ
 6月1日早朝、3月にAFC(アジアサッカー連盟)選出の新FIFA(国際サッカー連盟)理事として、スイス・チューリヒの理事会、総会にデビューした田嶋幸三氏(57=日本サッカー協会副会長)が帰国した。

 本来ならば、和やかな歓迎ムードのなか笑顔で帰国するはずだった「初出勤」が一転、かつてない構造的なスキャンダルの中枢に飛び込むことになってしまった。

 「本当に目まぐるしい1週間でした。スペインの理事からは、我々は今、乱気流のなかを飛んでいるのだと自覚しよう、との話がありました」と、日本の報道陣を前にしてようやく息をついたかのように田嶋氏は明かす。

 同氏は総会を前にした「暁の逮捕劇」が、FIFA理事が常宿とするチューリヒ市内の超高級ホテルで繰り広げられたとき、まさにその瞬間に居合わせている。時差で眠れず、早朝ジョギングに出かけようとロビーに降りると、十数人もの警官、そして

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