試合の進め方を選手に任せていたジーコ、100%の力を出させることを求めるハリル
2015年06月12日
ワールドカップ予選が日本にとって突破して当たり前の「プロセス」になって久しい。世界ランキング154位のシンガポールを相手に同52位の日本が本拠で苦戦することは想像しがたい。勝ち点3以外の結果に終われば、即座に解任の声が高まるはずだ。
本当にそうなりそうになったことがある。ジーコ監督のもとで戦ったドイツ大会の予選で、日本は敵地でシンガポールに粘られ、終了間際の得点で、なんとか2-1の勝利を収めた。
当時のジーコ監督は、チームとしてどう戦うのか方針をはっきり打ち出していなかった。欧州でプレーしていたスターたち、とくに「黄金の4人」と呼ばれた中田英寿、小野伸二、稲本潤一、中村俊輔に試合の進め方を任せていた。ジーコ監督が言っていた通り、サッカーは選手がするもので、黄金の4人はサッカーのやり方を熟知していた。しかし、サッカーのやり方は一つではない。ジーコ監督が考えるやり方を含め、5通りのやり方がピッチ上で錯綜したらどうなるのか。大混乱か、奇跡の調和か。こうした議論はたいてい机上を舞台にするのだが、ジーコ監督はまれに見る実験をW杯予選で見せてくれた。
それ以来、優れた選手に任せておけば
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