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漫画家はデジタル化に耐えうるか

ランニングコストがかかる創作、欠かせない優秀なアシスタント

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 前編では日本の電子書籍ではコミックスに成長していることを書いた。後半では電子書籍の広がりが、漫画全般や出版業界にどう影響していくのかを考えていこう。

 「電子書籍によって、新たな読者を獲得するツールにはなりうる。理想としては既存の紙媒体コミックスの売り上げにプラスして、電子書籍の売り上げがあること。だが、今まで紙のコミックスを買ってくれていた人たちが、電子書籍に流れて、その分、紙媒体の初版部数が落とされると、もう、僕らは漫画を書き続けることができなくなる」

 そう話すのは20代の漫画家だ。

 漫画家という仕事は、実は手間や費用がかかる仕事なのだ。私も取材で漫画家と接し、話を聞いていて、その過酷さを知った。

 昨今は読者が求めるものが高くなっているので、背景に写真のような緻密な絵が描かれている作品も多い。あの一コマを作るのはそうそう簡単なことではない。まず、資料が必要になるし、そのために取材をする場合もあろう。また、背景を書き込むアシスタントも必要になる。現在、漫画制作の現場で「1番偉いのは優秀なアシスタント」である。売れっ子漫画家が、アシスタントのスケジュールにあわせて ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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