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イチローの通算安打記録のカウントダウンは?

途中出場多く、メジャー3000安打や日米通算での最多安打にはペースダウン

出村義和 ジャーナリスト

記念のホームベースを中央に、クラブハウスでチームメートと記念撮影するイチロー(中央)=2015年4月27日、マーリンズ提供拡大記念のホームベースを中央に、クラブハウスでチームメートと記念撮影するイチロー(中央)=2015年4月27日、マーリンズ提供
 イチローの通算安打記録へのカウントダウンは予想されていたこととはいえスローペース、静かに進行中だ。現地6月28日現在、今シーズン放った安打は42本。メジャー通算3000安打まで114本。日米通算記録にはなるが、史上2位の球聖といわれたタイ・カッブまで27本、そしてピート・ローズが持つ4256安打へ92本に迫っている。

 移籍したマーリンズでは契約段階から第4の外野手、つまり控えという位置づけ。出場機会が限られることは当初からわかっていた。

 レギュラー組の故障、あるいは休養が与えられるときのみがスタメン出場のチャンス。あとは終盤の守備固めか代打。すでに代打出場は自己最多だった昨年の28回を上回る35回にのぼっている。158回打席に立って42安打、打率にして2割6分6厘は全盛時を思えば寂しいが、状況を考えれば、むしろ評価されるべき数字かもしれない。

 地区の台風の目どころか、優勝の可能性も語られるほど評価の高かったチームは開幕から躓き、16勝22敗の時点でマイク・レドモンド監督が解任された。後任はプロでプレーしたこともなければ監督、コーチの経験もないダン・ジェニングスGM。ここまでのチーム最大の話題は球界を驚かせた超異例の人事だ。イチローのカウントダウンはすっかり忘れ去られたかのように感じられた。

 しかし、チーム内におけるイチローの存在感は増す一方だ。

 「若いチーム。選手たちのいい手本になってもらいたい」と、イチロー獲得に動いた球団幹部の期待通りのアクションを起こしている。

 低迷したチームを鼓舞するようにジョークを飛ばし、

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筆者

出村義和

出村義和(でむら・よしかず) ジャーナリスト

ジャーナリスト。1950年、東京生まれ。法政大学社会学部、ユタ州立大学ジャーナリズム科卒。ベースボールマガジン社でアメリカ総局特派員、週刊ベースボール編集長などを務め、86年からフリー。ニューヨークを拠点に、スポーツから政治、ビジネスまで幅広い範囲をカバー。2005年に帰国後、新聞、雑誌などに執筆する一方で、スカパー!「MLBライブ」の解説を務め、09年からはJスポーツでMLBの解説者となる。著書に『英語で聞いてみるかベースボール』『メジャーリーガーズ』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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