新国立競技場の建設に伴う改築で、選手と観客の距離感が失われないか
2015年07月14日
昭和から平成にかけての冬の名物の一つにラグビーが挙げられる。特に、昭和当時は早稲田大学対明治大学、いわゆる早明戦は国立競技場を満員にしていたものだ。従って、席を取るのも大変だった。僕は当時明治大学の付属のラグビー部に所属していた。先輩たちの席を取るために、僕ら1年生は全員徹夜で並ばなければならなかったほどだ。
もっとも僕は選手の側だったので、観戦の醍醐味を知ったのはここ10年くらい前である。秩父宮ラグビー場の近くには国立競技場、神宮球場がある。そこから観戦帰り、夕陽に照らされた青山通りに向かう道は、銀杏並木が黄金色に輝いている。これも観戦の醍醐味だ。
2020年に東京オリンピックが開催される。この国家行事の為、都市の再開発が東京都内で行われている。最も有名なのは新宿・歌舞伎町のコマ劇場の取り壊しである。その代わり奇麗なホテルが建設され、「東洋一の歓楽街」「不夜城」と呼ばれた一種、いかがわしさのあった歌舞伎町に外国人観光客が目立つようになった。歌舞伎町観光地化計画とでも言おうか。繁華街はいかがわしさが、「味」となるものだが「味」も素っ気もない街になったとしたら、それはそれで街の形成において失敗ではないだろうか。
国立競技場周辺も、いよいよ開発が行われる。国立競技場の以外の大きな競技場と言うと、神奈川県・新横浜の日産スタジアム、東京都・調布付近の味の素スタジアムがある。が、両方とも都心から離れており
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください