熟成「なでしこジャパン」国際タイトル3大会連続決勝進出の快挙後の選択
2015年07月08日
あえて笑顔で、爽やかに、自らのW杯を去ろうとする姿に、男女通じ日本代表最多の205試合に出場し83得点、前人未到のW杯6大会出場を果たしたフットボーラ―の気高さがある。長年共に戦ってきたアメリカのFW,アビー・ワンバック(35)とはピッチで誰より長く抱き合った。
女子代表最多の183点をあげてきたFWが澤を抱き上げ、足が浮いてしまうユーモラスな場面も、試合だけでなく時代も共有した2人にしか分からない特別なものだろう。澤が米国に初めて勝ったのは、11年ドイツW杯決勝、わずか4年前である。キャリアのほとんどで負け続け、期待の若手としてチームに勢いをもたらし、大黒柱となってけん引し、今大会はサブでチームを支えた。そんな澤を「尊敬して止まない」ワンバックもまた、同じ役割を担い、果たしてきた。
2人の宿命の対決も、寂しいがカナダ大会が最後。2人が先発にいない、一時代に終わりを告げた決勝は、新たな時代とをつなぐような歴史的な試合となった。
アメリカは立ち上がりの2分に最初のCK、4分には最初のFKに凄まじい攻勢をかけ、ゴールを奪うだけではなく、日本DF陣に激しい動揺をも与えた。決勝まで6試合、初出場が4カ国、豪州、イングランドと、相手は日本対策というほど詰めた戦術では向かって来なかった。相手がそれだけ日本に敬意を払っているためでもあり、ディフェンディングチャンピオンのブランド力ともいえる。決勝までの6試合の立ち上がりは常に、比較的落ち着いて主導権を握る展開だった。これもアメリカに狙われた。
今大会大躍進したDFの有吉佐織(日テレベレーザ)は、「アメリカのセットプレーはもちろん警戒し研究していた。でも
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください