2015年08月12日
ETC2.0というキャッチコピーで、この8月から自動車向けの新たな公的情報提供サービスが、国民の誰にも知られることなく、スタートしている。朝日新聞8月1日付の記事「新ETC、情報スイスイ きょうサービス開始 渋滞緩和・道路整備に利用」ほか各種報道のとおり、すでにカー用品としての端末機器販売も始まっている。
サービスの詳細は公式ポータルサイトでの紹介(https://www.go-etc.jp/etc2/etc2/service.html)ほかWeb上でも様々に説明されており、その内容と効能は本稿では省略する。ようするに、日本版ETCの持つ高度な通信機能をカーナビと連携させ、渋滞回避や障害物回避など気の利いた道路交通情報が無料で手に入るようになるが、そのためにはETC車載器とカーナビの両方を買い替える必要がある。本稿では、その普及の課題に絞って論じる。
そしてその論点の広がりと、突破口と、限界は、15年前に想定したことと何も変わっていない。15年前の2000年頃というのは、ETCがスタート直前、カーナビはDVDナビがようやく高級品として世に出はじめ(それまではCD-ROMのナビ)、携帯電話はIMT-2000(現3G)が最新高速通信として登場し、ケータイではi-mode開始直後でメールがインターネット上に送信できるようになったばかりの時代だった。それでも情報通信サービスが2010年や2015年にどうなっていそうかは、この分野を得手とし、常識力のあるシンクタンカーならばある程度見通せたものと思う。当時ブロードバンド・ユビキタスを社会革命のように論じた残念な有識者たちすらも、その革命を実現するモバイルITデバイスは携帯電話とノートパソコンの中間のようなもので、
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