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開催1年前に誕生、リオ五輪代表のメダルプラン

競泳に飛び込み、アーチェリー、ヨット、ウィンドサーフィン、近代五種と続々内定

増島みどり スポーツライター

不思議な逆転現象も

 ちょっと面白い逆転現象である。

 新国立競技場の計画白紙撤回に、7月24日に発表されたばかりの「エンブレム」問題も重なり、5年後の「2020年東京オリンピック・パラリンピック」が世代間や地域差を越え幅広く知られるようになった。10日に内閣府が発表した世論調査では、同大会に「関心がある」と答えた人は実に81.9%に。ポジティブな話題ばかりではなくても、64年の東京や98年の長野にもなかった関心を集めている。

 しかし、直近に迫る来年の五輪に関する情報は、8月5日、開会式1年前を迎えたにもかかわらず過去に比べてどうも少ない。

 スポーツ関連会社の知人は大学生の就活面接解禁で、「東京オリンピックでは、御社の社員として是非こういった活動をしたい」と、溢れる情熱でプレゼンテーションする学生に、「ところで東京の前に、夏・冬五輪があるんだけれど、開催都市は?」と、試しに聞いたそうだ。

 「沈黙しちゃった学生が驚くほど多くいたよ。マスコミの問題じゃないのぉ?」と、厳しく叱られてしまった。自戒を込め、来年8月5日から21日まで行われるリオデジャネイロ五輪に向けて、早くも代表に内定した躍動感溢れるトップアスリートの話から。

日本のエース競技でも初の、五輪1年前内定者誕生

世界水泳選手権の女子200メートル平泳ぎで優勝した渡部奈生子=2015年8月7日、ロシア・カザン拡大世界水泳選手権の女子200メートル平泳ぎで優勝した渡部奈生子=2015年8月7日、ロシア・カザン
 水泳の世界選手権(世界水泳、ロシア)で、バセドウ病を乗り越えて、日本女子初の金メダルを獲得した200メートルバタフライの星奈津美(24=ミズノ)、200メートル平泳ぎの渡部香生子(わたなべ・かなこ、18=JSS立石)、男子400メートル個人メドレーで連覇を果たした瀬戸大也(21=JSS毛呂山)が11日帰国会見に臨んだ。スポンサーから金メダルの報奨金500万円を受け取るセレモニーも催されたのはうれしいご褒美だが、3人にとって別の意味で重いのは、水泳連盟が定めたルールに則り手にした、1年後のリオ五輪代表(各種目で)の座だろう。

 アテネ五輪では北島康介の2種目制覇を含めて金メダル3、銀1、銅4つを獲得。大会初日からスタートする五輪の看板競技として、日本選手をけん引した。続く北京も金2つと銅3、前回ロンドンでは金メダルはなかったものの、銀3、銅8個と日本チームのエース競技である。

 しかし、五輪1年前に代表を決定したのは実は初めて。

 北京五輪前年の世界水泳ではハイレベルな「世界記録」を基準としたため、北島が金メダルを獲得しながらも五輪代表権は手にできず。ロンドン五輪前年の世界水泳は

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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