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貧困と隣り合わせで生きる(上)

奨学金がなければ大学に進めなかった私、改善すべきは授業料の高さと低い就職率

町亞聖 フリーアナウンサー

貧困化する豊かな国ニッポン・・・

 果たして本当に日本は豊かなのか・・・。の貧困率が16.3%に上り6人に1人が貧困と言われている。また生活保護を受けている高齢者は約80万世帯と全体の半分を占めており、70歳以上の女性の貧困率は20%を超え、高齢者だけでなく母子世帯や20代前半の男性の貧困率も高い・・・。こうして数字だけを列記しても日本全体が“貧困化”しているとしか言いようがない。

貧困の連鎖を断ち切りたい

 しかし昔から貧しい家庭は地域に存在し、格差は確実に社会に根を張っていた。我が家もそうだったから良く分かる。もし今父が生きていればちょうど団塊の世代。早くに父親を亡くした父は祖母により女手一つで育てられた。高校卒業と同時に九州の田舎から上京、母と出会い3人の子供を授かった。4畳半と6畳だけの狭い平屋建ての家で家族5人暮らしていた。「自分の家は決して裕福ではない」と子供心に理解はしていたが、両親もまだ若く共働きだったのでなんとかやりくり出来ていた。

「子どもの貧困」をテーマにした集会のあと、鴨川の河川敷で通行人にアピールする大学生ら=2014年10月、京都市中京区「子どもの貧困」をテーマにした集会のあと、鴨川の河川敷で通行人にアピールする大学生ら=2014年10月、京都市中京区
 しかし、私が高校3年の時に母が病で倒れて生活が一変することになる。箪笥の中にしまってあった預金通帳の残高はゼロ。妹の学資保険はとっくの昔に解約されていた。母の代わりに
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