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[4]座長・浅田真央ならではの「ザ・アイス」

青嶋ひろの フリーライター

 続いては、全国4都市(札幌、大阪、愛知、仙台)で11公演を開催、愛知と仙台、6公演の観客動員数は約3万と、「ファンタジーオンアイス」に引けを取らない「ザ・アイス」(制作:中京テレビ放送)。開催を前にして浅田真央が出席した記者会見も大いに話題になり、「LOTTE presents THE ICE」と大企業の冠を掲げた、日本で最も商業的なアイスショーだろう。

 今季初めてアイスショーの取材をしたという記者は、「ファンタジー・オン・アイス」と「ザ・アイス」の客層の違い、客席の雰囲気の違いに驚いたという。

 羽生結弦やステファン・ランビエール、ジョニー・ウィアーなど、ディープな支持者を持つスケーターが揃った「ファンタジー」は、ファンの盛り上がりがなかなかに熱狂的だ。

浅田真央/拡大東日本大震災後、青森・八戸で開かれた「ザ・アイス」のチャリティーショーで演技を披露した浅田真央=2011年
 一方で、「ザ・アイス」の看板である浅田真央は、お茶の間で広く人気を得ているスケーター。

 各都市のテレビ局が大きく宣伝することで、生でスケートを見るのは初めて、というライトな客層、親子連れ、ファミリー層も多く訪れていた。

 そこで繰り広げられるショーも、華やかなグループナンバーあり、トークショーあり、観客も一緒に踊るダンスパートありと、浅田真央を中心とした親しみのある構成となっている。

 舞台裏でも、スケーターたちが仲良く心地良い環境で滑れるよう、スタッフは様々な工夫を凝らしていると聞く。

 浅田が日本だけでなく世界中のスケーター仲間から愛され、海外のスケーターたちは、「マオのショーに呼ばれたんだよ!」と、誇らしい気持ちで集まってきている、そんな雰囲気もいい。

 かつて伊藤みどりがプリンスアイスワールドを率いていた頃、「ミドリのショーに呼ばれたんだ!」と各国のスケーターが喜んで彼女のために来日したという、そんな逸話を思い出してしまう。

 「マオといっしょに、日本の皆さんのために!」、スケーターたちのそんな気持ち、プロフェッショナリズムというより、より温かな友情や親密性を、「ザ・アイス」のスケーターの滑りから感じ取ることができた。

 もちろん、2006年のスタートから9年間、築き上げてきた「ザ・アイス」らしいカラーもある。今シーズン大きな見どころだったのは、 ・・・ログインして読む
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筆者

青嶋ひろの

青嶋ひろの(あおしま・ひろの) フリーライター

静岡県浜松市生まれ。2002年よりフィギュアスケートを取材。日本のトップ選手へのインタビュー集『フィギュアスケート日本女子 ファンブック』『フィギュアスケート日本男子 ファンブック Cutting Edge』を毎年刊行。著書に、『最強男子。 高橋大輔・織田信成・小塚崇彦 バンクーバー五輪フィギュアスケート男子日本代表リポート』(朝日新聞出版)、『浅田真央物語』『羽生結弦物語』(ともに角川つばさ文庫)、『フィギュアスケート男子3 最強日本、若き獅子たちの台頭 宇野昌磨・山本草太・田中刑事・日野龍樹・本田太一」(カドカワ・ミニッツブック、電子書店で配信)など。最新刊は、『百獣繚乱―フィギュアスケート日本男子―ソチからピョンチャンへ』(2015年12月16日発売、KADOKAWA)。

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