メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

苦い2年目を終えたヤンキース・田中将大

2年連続の2ケタ勝利も規定投球回に届かず、「一流」にはまだなれず

出村義和 ジャーナリスト

 田中将大の所属するヤンキースが瞬く間にポストシーズンから姿を消した。開幕前の予想では戦力不足から最下位もあり得ると報じるメディアもあったほど評価が低かったことを思えば、地区シリーズ進出をかけたワイルドカードゲーム(地区優勝以外の勝率1位、2位チームの1試合プレーオフ)に進出したのだから、上出来という見方もできないわけではない。

 ヤンキースにとってみれば、3年ぶりのポストシーズン出場。田中は09年以来のワールドシリーズ優勝を目指す極めて重要なマウンドを託された。

登板を2日後に控え、会見するヤンキースの田中将大=2015年4月4日、ワシントン登板を2日後に控え、会見するヤンキースの田中将大=2015年4月4日、ワシントン
 「全く心配していない」と、一発勝負の大一番の先発に指名したジョー・ジラルディ監督はいった。しかし、田中は信頼に応えることはできなかった。2本のソロホーマーを打たれ、5回83球でマウンドを降りて敗戦投手という記録とともに、メジャー2年目のシーズンを閉じた。

 投球内容は悪くはなかった。だが、試合後ジラルディ監督が指摘したようにホームランを打たれた「2球の失投」が命取りになった。

 「こういう結果に終わったのは全て僕の責任」と、田中は背負っていたものの重さを感じさせるコメントを残した。

 この試合で田中に求められていたものは、「先に点を与えない。リードを保って終盤を強力ブルペンに託す」ということだった。打線は最終盤から低迷していただけに、エースらしい相手打線を圧倒する投球が期待されていた。

 同時にまた、この試合は田中にとっては超名門チームのエースであることを証明する絶好の機会でもあったといえる。昨年は開幕6連勝、メジャー最長タイ記録となるデビュー16試合連続クオリティースタート(先発して6回以上を自責点3以下に抑える)とセンセーショナルな登場した田中だが、

・・・ログインして読む
(残り:約822文字/本文:約1542文字)