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リケジョブームの危険性

本来は文系の優秀な女子が理系に流れつつある

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 6月に文部科学省が出した大学改革に関する通達に、国立文系学部の廃止や見直しが含まれていて、話題になった。大学改革における文系軽視は日本だけではない。アメリカ・ノースカロライナ州の州立大学では、理系の学生にだけ奨学金を与え、理系の教員だけ手当を手厚くするなどの「理系優遇」が行われ、州知事は、大学改革に対して「ジェンダーを学びたいのはすばらしいが、私立大学でやってくれ」と発言している。つまり、役に立たない学問に税金は投入できない、というわけだ。このような理系優遇の流れに対して、日本では、一部の研究者や政治家などが反発をしている。

日本学術会議で通知について説明する文科省の常盤豊・高等教育局長(右奥から2人目)=2015年9月18日、東京都港区拡大日本学術会議で通知について説明する文科省の常盤豊・高等教育局長(右奥から2人目)=2015年9月18日、東京都港区
 しかし、企業や官庁でも理系出身者の評価は高まり、子供たちも理系希望者が増えている。女子校でも半数が理系志望というところが増えてきた。本稿では、女子教育や女性の社会進出の面で、理系人気はマイナスな面もあるのでは?ということを言及し、後半では文系教育の問題点をみてみたい。

女子校でも半数が理系志望

 企業や官庁で、理系出身者の評価が高まっている。中央官庁のキャリア組や企業の営業といった文系分野でも、理系が台頭してきている。

 理系が営業や事務職で評価を得ると、文系の学生の就職口を奪うことになる。文系は基本文系職種にしか応募できないが、理系なら技術職、研究職、営業、事務と様々な分野に就職ができる。つまり、選択肢が広い。そういう情報を知っているので、首都圏の名門女子校の生徒たちも理系を選択することが増えている。学校側も理系教育を打ち出している。

 桜蔭、豊島岡、鴎友、吉祥女子、女子学院等々の学校はどこも半数が理系希望 ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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