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歴史を創ったエディー・ジョーンズと大西鐡之祐

W杯ラグビー快挙の立役者と伝説の指導者に共通する日本人に合った戦法とチーム作り

松瀬学 ノンフィクションライター

記者会見で笑顔をみせるエディ・ジョーンズヘッドコーチ(前列左)と五郎丸歩選手(中央)ら=2015年10月13日、東京都港区拡大記者会見で笑顔をみせるエディ・ジョーンズヘッドコーチ(前列左)と五郎丸歩選手(中央)ら=2015年10月13日、東京都港区
 日本ラグビーの歴史が変わった。ワールドカップ(W杯)イングランド大会で、日本代表は優勝候補の南アフリカを破るなどして3勝を挙げ、世界のラグビー関係者を驚かせた。指揮官のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)を見ると、1968(昭和43)年にオールブラックス(NZ代表)・ジュニアに番狂わせを演じた日本代表の故・大西鐡之祐監督を思い出すのである。

  今回の日本代表の活躍は英国でも絶賛された。なぜか。もちろん、これまでW杯7大会で1勝しかできなかったチームが、過去2度優勝の南アフリカを倒したからだが、チームスタイルの独自性もあっただろう。大型化やパワー全盛の中にあって、日本は体力差を「世界一の運動量・持久力」でカバーし、パスをつないで走って戦ったからだ。

  エディーHCは『ジャパン・ウェー(日本流)』と呼ぶ、日本人の長所を生かしたラグビーを標榜した。これは低い姿勢とはやさ、フィットネスを土台とし、ボールをスペースに動かして攻め続けることである。ディフェンスでも低い束になったタックルで相手を倒す。倒れてもすかさず起き上がり、またタックル、サポートに走る。

  科学的な「世界一のハードワーク(猛練習)」を課してきたからで、エディーHCは「日本人の長所は低い姿勢と忍耐強さ」と口にしていた。ジャパン・ウェーの『アタッキング・ラグビー』でラグビー界に新しい風を吹かせた。

  大西先生もまた、日本人に合った戦法の創造ということで、『展開・接近・連続』という理論を創り出した。接近というのはコンタクト。これは長い槍と短い刀みたいなもので、からだの小さな日本人は大きい相手の懐に入ってやらないと勝てないと言っていた。

  チーム作りも酷似している。確かな目標を決め、逆算してから ・・・ログインして読む
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筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

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