官の大規模ITは業者と一体の構築運営が必須
2015年10月20日
この種の報道で最も危険に感じたのは「この厚労省職員は‥本来は国が準備する仕様書を、受注を望んでいた同社に作らせていた」(朝日新聞10月13日ほか多数の報道)という事実が、「発注にかかわった‥契約で業者選定に権限を持っていた」「見返りとして‥現金を受け取った」という文面でいっしょくたに報道されている点である。
「選定権限を持つ担当官がITシステムの発注仕様書を民間企業に書かせた」を官民の癒着は悪、仕様書は民間の人間を介さずに書くべきだ、と見るように社会の雰囲気を醸成しているのなら、この報道表現は断じて撤回されなければならない。
結論を先に言う。ITシステムとくに大規模なものを政府自治体自体が発注するにあたり、発注仕様書は、「ITを道具として行う、その業務の内容を熟知した民間企業の人間」が書かねばならない。官の人間自身で発注仕様書を書ききることは、無理だ。システムの不具合を生み、税金の無駄を生む。
ITシステムの技術は日進月歩で、大規模になるほど複雑化し、不具合収束の時間とコストもかかる。失敗は許されない。しかし頻繁に異動する役人がその技術的知見を常に持っておくことは事実上不可能だ。今回逮捕された職員のように
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