ACL準決勝でガンバ大阪が勝てなかったのは、2戦合計点だけではなかった?
2015年10月30日
スーパースター軍団「セレソン」(サッカーブラジル代表)を率いたルイス・フェリペ・スコラーリ監督(66)は、ブラジル時代よりもずい分太っていた。そして勝利コメントにもどこかリッチ感が漂う・・・と表現したら、「ひがみじゃないか」と笑われてしまうかもしれない。
「ACL決勝のプラン?冗談じゃない、まだ早過ぎる。今はホテルに戻ってゆったりと美味しい食事を取り、ワインを飲んでベッドでぐっすり眠りたいよ。十分にリラックスしてね」
しかし取材で実感させられたのは、2013年以来、再びアジアの頂点に立とうとこの試合に賭けてきた広州恒大の凄まじい執念のほうだった。G大阪の分厚い攻撃を跳ね返す堅いDFはもちろん、1万7000人のホーム観戦者のうち4000~5000人を占めた大応援団、日本在住のファンも含め全員に無料で配られたという真っ赤なTシャツ、G大阪が準備したホテルをキャンセルしてまで自分たちで確保した、1泊7万円もする超高級ホテル、チーム関係者全員が同乗するために使ったチャーター便・・・唯一勝てると予想した記者の人数も、アウェーの彼らに負けてしまった。1泊7万円の部屋で、祝杯のための冷えた高級シャンパン。誰だって早くホテルに帰りたいものだ。
会見にセッティングされた中国のカメラにはクラブ専用チャンネルのものもあった。AFC(アジアサッカー連盟)との権利関係はクリアした上で、クラブはITへ10億円以上を投資しチーム情報をリアルタイムで本国に送る。
ITへの投資金額もJクラブでは考えられないが、彼らにとっては数十億円など驚く金額ではないだろう。何しろ昨年、新たなスポンサーとして半分の株式を購入したのは、あの「アリババ」(ネット通販最大手)である。
1954年と伝統を持つクラブはかつて八百長問題に揺れ降格するなど、中国国内リーグでも中心的なクラブではなかった。しかし
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