京都賞を受賞、様々な国籍や人種、体格、個性のバレエダンサーをいかす
2015年11月02日
バレエを中心に書くジャーナリストの一人として、とても嬉しい報に喜びながら、私は今まで、いったい何作品くらいジョン・ノイマイヤー振付作品を観たのだろう──と頭を巡らせてみる。現代に生きる振付家の作品を生の舞台で観た回数を比較すると、私に取ってノイマイヤー作品はだんとつに多い気がする。
その第一の理由は私を感動させてくれる作品が多いので足を運ぶからだが、もう一つの理由は、ジョン・ノイマイヤー率いるハンブルク・バレエでは、毎年、シーズン終わりの6月から7月初めを「ハンブルク・バレエ週間(ハンブルク・バレエ・ターゲ)」として、その期間ほぼ毎日違った演目を上演するからだ。
通常、バレエは数日から1週間以上、同じ演目をキャストを変えて上演することが多い。だから、現地に出向いても1週間程度の滞在だと1演目か2演目した観られない、毎晩劇場に足を運んでもキャスト違いで同じ演目を観る・・・といったことになる。だが、ハンブルク・バレエ週間の期間中にハンブルクに行くと、上手くスケジュールを組めば、1週間の滞在で7演目を観ることが可能になる場合もあるのだ。
上演する側にすれば、毎日、舞台の装置から何から変えなければいけないし、ダンサーは複数の演目のリハーサルをめまぐるしくこなして連日違った役で舞台に立つというハードな日々。だが、そのおかげで、私は3度ほどのハンブルク・バレエ週間滞在で数十の演目を観ることができた。他にハンブルク・バレエの日本公演や、東京バレエ団はじめハンブルク以外のバレエ団がノイマイヤー作品を上演する舞台も観ているから、結構な数、観ていることになる。
どうして、こんなにノイマイヤー作品が魅力的に感じられるのだろう?
私なりに整理してみると、第一に「美しいクラシック・バレエの技法に基づきながら、
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