メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

何が羽生結弦をここまで追い詰めたのか?(下)

「洗練」の第一歩を見せたフリー。しかし……

青嶋ひろの フリーライター

 きりっとした表情。

 すばらしい気魄に満ちた手足。

 集中力のすべてを、ジャンプに、身体表現に注ぎ込んで見せたフリー。

 ショートプログラムでの生気のなさをいっさい感じさせないプログラム「SEIMEI」を見て、人々は何を感じただろうか。

プログラム「SEIMEI」拡大フリーのプログラム「SEIMEI」で巻き返した羽生結弦=ロイター
 「あのショートプログラムから、ここまで立て直せるなんて信じられない。さすが羽生結弦!」

 「いや、彼はこういう男だ。追いかける立場はむしろ得意のはず。あのショートプログラムの悔しさがあれば、このくらいできても不思議はない。驚きはないよ」

 驚いた、という人も、想定の範囲だ、と言う人も。しかしどちらも、このフリーをあまりにも羽生結弦らしい、と思ったはずだ。追い詰められてこそ爆発的な力が出せる、これが羽生結弦だ、と。

 しかし誰もが知っている「羽生結弦らしさ」。「彼らしく」あることは、どれほど大変なことだろうか。

 ショートプログラムで見せた姿を「羽生らしくない」と人は言うかもしれない。しかし、

・・・ログインして読む
(残り:約2160文字/本文:約2581文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

青嶋ひろの

青嶋ひろの(あおしま・ひろの) フリーライター

静岡県浜松市生まれ。2002年よりフィギュアスケートを取材。日本のトップ選手へのインタビュー集『フィギュアスケート日本女子 ファンブック』『フィギュアスケート日本男子 ファンブック Cutting Edge』を毎年刊行。著書に、『最強男子。 高橋大輔・織田信成・小塚崇彦 バンクーバー五輪フィギュアスケート男子日本代表リポート』(朝日新聞出版)、『浅田真央物語』『羽生結弦物語』(ともに角川つばさ文庫)、『フィギュアスケート男子3 最強日本、若き獅子たちの台頭 宇野昌磨・山本草太・田中刑事・日野龍樹・本田太一」(カドカワ・ミニッツブック、電子書店で配信)など。最新刊は、『百獣繚乱―フィギュアスケート日本男子―ソチからピョンチャンへ』(2015年12月16日発売、KADOKAWA)。

青嶋ひろのの記事

もっと見る