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ジャッジ傾向に変化。羽生結弦は方向転換できるか

宇野昌磨など「新世代」と相対するために

青嶋ひろの フリーライター

 フィギュアスケートは本来、ジャンプだけの競技ではない。

 もちろんジャンプの得点が大きな比重を占めはするが、プログラムを主体に考えるならば、ジャンプはそれを飾るアクセサリーのひとつだ。作品を引き立てるために、音楽とマッチしたポイントに散りばめられる、美しい跳躍。

銀のチャン(左)、銅のテン(右)と笑顔ソチ五輪のメダリストたちも、採点傾向の変化と若手の台頭に立ち向かわなければならない(左からパトリック・チャン、羽生結弦、デニス・テン)
 フィギュアスケートは、技を見せるためにプログラムを作り上げているわけではない。4回転に心を捉えられがちな選手たちにも、その原点に今一度立ち返ってもらいたい――。

 連載「何が羽生結弦をここまで追い詰めたのか?」で書いたように、スケートカナダで、4回転一度のパトリック・チャンが、羽生結弦に勝ったことには、そんなジャッジたちのメッセージを読み取ることができる。

ボーヤン・ジン(金博洋)のジャンプが影響?

 また、ある日本のトップコーチにカナダの結果について聞くと、中国のボーヤン・ジン(金博洋)の存在も大きいのではないか、という答えが返ってきた。

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