劇的な展開で入場者数や視聴率は及第点、課題は決勝2チームの日程の公平性
2015年12月09日
2005年以降、欧州の主要リーグと同じ1年を通して勝ち点を積み上げていくホーム・アンド・アウェーによる通年リーグをやめ、11年ぶりに「2ステージ制+チャンピオンシップ(CS)」を復活させた。
シーズンを前後期の2ステージに分けてそれぞれで優勝チームを決めた上、二つのステージの勝ち点を合計した年間勝ち点で3位までのチームを加えた最大5チームによるCSでタイトルを争う。2年前に議論を重ねてリーグ方式の変更に踏み切り、ファンの間ではいまだにわかりにくさや公平性に欠けると不評だが、劇的な試合が続き、入場者数や視聴率といった数字も含めて、まずまずの結果となった。一方で、改善すべき点も浮かび上がってきた。
一発勝負による準決勝があった埼玉スタジアムでは空席が目立った。最終的な順位が確定した第2ステージの最終節から中5日しかない日程も影響したのか、浦和レッズの本拠で入場券は完売しなかった。
しかし、広島とガンバ大阪がホーム・アンド・アウェーで戦った決勝では、大阪での第1戦でアウェー席を中心に空席があったものの、ほぼ完売。広島での第2戦は当日券を含めて完売。3戦の入場者数は順に、4万696人、1万7844人、3万6609人を記録した。
平均視聴率(関東地区)は準決勝の前半が3.7%、後半が5.1%。決勝第1戦が7.6%で、第2戦が前後半とも10.4%と上昇していっている。ちなみに、広島では前半25.9%から後半には35.1%まで数字が上がった。Jリーグ内では、決勝第2戦で二桁に上がることをひとつの目安としていたため、一定の効果は認められるといえそうだ。
Jリーグでは今後、これらの数字を精査するが、一般へのアンケート結果などもまじえて、認知度や盛り上がりにCSがどんな影響を及ぼしたかなど、検証を加えていくとしている。
そのなかで、課題も浮かび上がってきている。
「2ステージ制+CS」の復活はそもそも、サッカーに関心の薄いライト層への人気掘り起こしがひとつの理由だった。しかし、CSの勝ち上がり方やトーナメントの組み方など、一般へのわかりにくさをどう解消するかを、村井チェアマンは課題として挙げている。
また、別に浮かび上がったのが競技面での公平性の問題である。
決勝を争ったガ大阪と広島を比較してみると
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