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[2]スーパージャンプと表現を両立させた真央

青嶋ひろの フリーライター

3回転の高難度コンビネーション

 浅田真央のグランプリシリーズ初戦、中国杯(2015年11月6~7日)。

 まず話題になったのは、初めて披露するショートプログラムのジャンプ構成だ。

 トリプルアクセル、3回転フリップ‐3回転ループのコンビネーション、そして、トリプルルッツ。

 「世界最高難度」などと煽り立てられたが、男子でいえば4回転がふたつ入っているショートプログラムに匹敵、といえばわかりやすいだろうか。

 まず、現役選手では、浅田とエリザベータ・タクタミシェワ(ロシア)しか成功していないトリプルアクセル。

浅田真央拡大浅田真央
 続く3回転‐3回転は、セカンドジャンプの3回転が女子にはとんでもなく難しいものだという。

 「男子は力で押せば、なんとか後ろに3回転をつけることができます。
 でも女子には、そこまでのパワーがない。女の子がセカンドのトリプルを跳ぶには、完全に技術だけが頼りになるんです。
 タイミングをとらえる巧みさなど、男子の4回転に匹敵する難度だと言っていいでしょう」

 とは、選手時代に4回転ジャンパーだった日本のコーチの言葉だ。

 浅田の跳ぶフリップ‐ループの3-3は、そのなかでもさらに高難度のもの。

 特にセカンドジャンプがトウループでなくループを跳んでいるのが大きなポイントだ。左足のトウを突いて勢いをつけて跳べるトルウープをつけるよりも何倍も、現在のルールで定められた得点差以上の難しさがあるという。

 「男子選手がほとんどセカンドジャンプにループをつけないのが、その難しさの証拠です。しかも後ろのループは、現在のルールでは回転不足を取られやすい。ルッツ‐ループの3-3を得意としていた安藤美姫でさえ、回転不足判定が厳しくなってから、挑戦を避けていたほどです」

 ジャッジ基準が見直され、一時期よりもセカンドループの回転不足判定は厳しくなくなった。しかしやはり、男女問わず挑戦しにくい高難度コンビネーションであることは変わりない。

 それでも浅田がチャレンジを続けるのは、小さなころにタラ・リピンスキー(アメリカ)の ・・・ログインして読む
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筆者

青嶋ひろの

青嶋ひろの(あおしま・ひろの) フリーライター

静岡県浜松市生まれ。2002年よりフィギュアスケートを取材。日本のトップ選手へのインタビュー集『フィギュアスケート日本女子 ファンブック』『フィギュアスケート日本男子 ファンブック Cutting Edge』を毎年刊行。著書に、『最強男子。 高橋大輔・織田信成・小塚崇彦 バンクーバー五輪フィギュアスケート男子日本代表リポート』(朝日新聞出版)、『浅田真央物語』『羽生結弦物語』(ともに角川つばさ文庫)、『フィギュアスケート男子3 最強日本、若き獅子たちの台頭 宇野昌磨・山本草太・田中刑事・日野龍樹・本田太一」(カドカワ・ミニッツブック、電子書店で配信)など。最新刊は、『百獣繚乱―フィギュアスケート日本男子―ソチからピョンチャンへ』(2015年12月16日発売、KADOKAWA)。

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