2015年12月22日
中国杯の浅田真央は、夢のように煌(きら)びやかだった。
そのぶんだけ、ホームに戻ってきてのグランプリシリーズNHK杯(11月)で、ショート4位、フリー2位、総合3位という結果には、少なからぬ落胆の声があがってしまったようだ。
まず、中国杯でパーフェクトだったショートプログラムで、まさかの2ミス、4位発進。
中国でいとも安々と3本のジャンプを跳んでしまったから、今の彼女にとっては簡単なものなのか、と思いこんでいたかもしれない。しかし2ミスの演技を見てしまえば、「こうなるのが普通なほどの難度なのだ」と改めて思い知る。失敗して初めて、25歳の浅田のしていることの難しさがわかったのだ。
佐藤信夫コーチも、「彼女だって神様じゃありませんから」と苦笑いする。
うまくいくときも、失敗することもある。それが普通ではないか、と。
この日、ショートプログラムではまだ、「失敗したときに彼女が何を言うか、それも楽しみだ」と思えた。今季の彼女は、自身の状態や思いをしっかり語れている。その精神面の成長の真価は、うまくいかなかった時ほど現れるのではないか、と。
それは、期待通りだった。
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