負の連鎖を絶つため、ひとり親世帯の住宅支援、返済しなくていい奨学金は実現を
2016年03月03日
生活保護の問題はここでは触れないが、生活保護は一生を保障してくれるものではなく一時的な緊急避難措置だ。受給者の抑制や不正受給を防ぐために水際となる窓口で厳しく審査しているという話を聞くが、本当に救済を必要とする人に手を差し伸べるのは福祉行政の責務である。
「女性や子供の貧困」がクローズアップされているが、今から25年前の18歳の時に両方を経験した1人として“女性と子供”とあえて括ることにずっと違和感を持っている。誰しも好きで貧困に陥るではない。貧困なのは彼女達を救い出せない制度や環境、そしてこの国のことではないか。私の場合は母の介護が原因だが、母が倒れても父の酒癖は変わらず、母は障害者・・・・・・。自分の運命を呪い、道を踏み外しても仕方がないと思われる状況だった。
しかし、誰かのせいにしても自分の未来は切り開くことが出来ない。私が心に決めたのは「親に頼らずに生きる」ということだった。子供だから女性だからではなく「1人の人間」として自立するために必要なものの答えを私は知っている。自分自身の選択肢を広げるため、自分の身を守るための「教育」と生活するための「仕事」、そして路頭に迷わないための「住まい」である。
役所の手続きでは我が家にも苦い思い出がある。母が重度の障害者になり障害年金を申請することになったが申請から支給されるまでに3年という長い時間がかかった。私も無知だったが障害年金を受給するためには、国民年金に加入している期間の3分の2をきちんと納めていること、そして障害が確定した日からさかのぼって1年間を完納していることが条件だった。辛うじてこの条件はクリアしていたが、もしどちらかの条件を満たしていなかったら母は障害年金をもらうことは出来なかった。
車椅子の母を連れて市役所に通う10代の私。市役所には
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