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「SMAPは奴隷」という批判は的外れ(上)

メンバーが輝き続けるためにはジャニーズ事務所にいるのが最善

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 SMAPの解散独立騒動は予想以上に大きな事件となった。国会で安倍首相もこの問題についてコメントしている。結局、当初ジャニーズ事務所から独立すると報じられた4人がジャニー喜多川に謝罪し、在籍し続けることになった。SMAPは解散せず、これはSMAPファンではない私ですら、ほっとした。

報道陣が詰めかけたジョニーズ事務所前=2016年1月13日、東京都港区拡大報道陣が詰めかけたジョニーズ事務所前=2016年1月13日、東京都港区
  ところが、この騒動におけるジャニーズ事務所の対応について、批判的なコメントをする文化人が複数存在した。中には「ジャニーズから独立できないタレント」を「奴隷」という強い言葉で表現した文化人もいた。つまり、「奴隷」発言文化人たちは「タレントが独立しようとしたが、事務所が圧力をかけて独立させなかった」と考えている。もし、そうだったら、奴隷制度そのものだ。

 しかし、SMAPの解散独立を阻止したのは、ジャニーズ事務所ではなく、SMAPのファンだったのではないだろうか。前半の今回はジャニーズ事務所が他の芸能事務所とは違う性質だということに言及し、後半の次回ではSMAPにとっての神は、ジャニーズ事務所でもCMクライアントでもなくファンだということを述べていきたい。

芸能事務所というより”劇団”

  ジャニーズ事務所は芸能事務所というよりは、”劇団”と捉えるとわかりやすいだろう。ジャニー喜多川という天才演出家がいて、その彼の作り出すステージが女性たちを魅了している。ジャニーズの熱心なファン達を「ジャニヲタ」と呼ぶが、彼女たちは個々のタレントを愛すると同時に、ジャニー喜多川が作り出す”舞台”のファンでもあるのだ。

  1980年代に、短期間だが、ジャニーズ事務所に在籍していた男性がこう話していた。「ジャニーさんはビジネスマンじゃなくてクリエイターだった。お金や名誉に関心がなくて、自分の美意識を具象化することにしか興味がない」

  ジャニー喜多川はタレントが「アーティスト」気取りになるのを嫌い、あくまでも歌って踊る「アイドル」でいることを美しいとした。嵐の二宮和也は ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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