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「SMAPは奴隷」という批判は的外れ(下)

解散を止めたファンという「神」の存在、謝罪会見も神に向かってされたのではないか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 前回の前半では、ジャニーズ事務所は芸能事務所というよりも、ジャニー喜多川という天才が主宰する”劇団”であり、タレントがアーティストにならず、アイドルでいることの重要性を書いた。今回の後半ではSMAPは誰に謝罪したのかということについて書いていきたい。

なぜ中居正広は「踊れない」と言われて傷ついたのか

 今回、ジャニーズを辞めると報道されたSMAPの4人はすでに完成されたタレントである。彼らは独立しても仕事のオファーはくるだろう。特に中居正広はバラエティー番組の名司会者として地位を確立しているので、さらに売れっ子になる可能性もある。だが、ジャニーズを辞めたら、中居はアイドルではなく、「好感度大のおじさん司会者」となってしまうのではないか。それは中居自身が望むものではないはずだ。

森光子さんの本葬で献花に向かう(前列から)少年隊、SMAP、TOKIOらジャニーズのメンバー=2012年1月27日、東京都港区の青山葬儀所、報知新聞代表撮影拡大森光子さんの本葬で献花に向かう(前列から)少年隊、SMAP、TOKIOらジャニーズのメンバー=2012年1月27日、東京都港区の青山葬儀所、報知新聞代表撮影
  一部報道によると、ジャニーズ事務所の副社長が雑誌のインタビュー内で「SMAPは踊れない」という旨を発言したことに、中居は深く傷ついて、独立をする決心をしたという。彼はダンスレッスンを人一倍してきた自負があったからだ。アイドルにとって踊れることは重要であり、「踊れない」と言われるのは「アイドルとして精進してないし、能力がない」と言われたことになる。中居はアイドルとして評価されていないことにショックを受けた。つまり、中居のアイデンティティーは「アイドル」なのだ。「踊れないけれど、俺は司会者として実力あるからいいんだ」と開き直りができなかったのだから。

  「アイドルとしてダメだと言われた」と立腹して、ジャニーズを辞める。しかし、そうなった時に、中居正広はアイドルとして存在できるのだろうか。

  今回の騒動で、木村拓哉がメンバーと事務所の架け橋になり、他の4人の独立やSMAP解散を止めた。なぜ、木村拓哉は事務所に残ろうとしたのだろうか。木村拓哉は実力も人気も高いトップ俳優だが、 ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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