若者離れ対策として高卒1年目のスノボーデビューを狙ったリクルートライフスタイル
2016年03月04日
1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」に代表されるバブル期に盛り上がったスキーリゾートブームもいまは昔。雑誌「じゃらん」をはじめ日常消費領域を対象とするリクルートライフスタイルが縮小傾向にあるレジャーについて分析すると、若者が足を運んでいないことだった。スキーのほか、ゴルフや釣り、温泉はいずれも、利用者が高齢化するなかで落ち込んでいた。スキー・スノーボードの利用者は93年をピークに減っていた。
同社が11年1月に調査したところ、幼少期のスキー経験者が若者からのイメージがいいスノーボードにうまく移行できていない実態が浮かび上がった。スノーボードを始めるのは高校を卒業してから社会人になるまでの間がピークだった。この時期にスノーボードを体験する機会を逃すとスキー場から縁遠くなってしまう。
若者を呼び戻すアイデアとして考え出されたのが、「スノボーデビュー」の可能性が高い最初の1年間(19歳になる年)については1日4000~5000円かかるリフト券の無料化だった。スキー客の動向を最も左右する雪不足などの天候の影響に比べれば、リフト券の収入減の打撃はあまり大きくないことをスキー場経営者らへのヒアリングから判断した。
同社は企画した「雪マジ!19」を各スキー場に提案した結果、最初の11~12年シーズンは全国で星野リゾート・トマム、万座温泉、白馬八方尾根など89カ所のスキー場が参加。大学1年生となる19歳の若者に向けた企画のPRでは、大学生協でのポスター以外ではもっぱら口コミとSNSを使った。「雪マジ!19」に登録した会員は4万9000人だった。
翌シーズンにはリピーターを増やすため、20歳向けにはリフト券を半額にする「雪マジ!20」も始めた。こうした結果、同社の調査では3年後の14~15年シーズンで参加したスキー場は苗場(新潟県)や志賀高原(長野県)などの181カ所に増え、会員数も15万6000人と3倍以上になった。このうち、6万9000人は「雪マジ!19がなければスキー場に行かなかった」と
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