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時代劇は高齢者嫌いの地上波から消え衛星で花盛り

若い世代狙うCMスポンサーと地上波テレビ局、時代劇制作に乗り出す衛星局

川本裕司 朝日新聞記者

6月にケーブルテレビに配信予定の時代劇「顔」の制作発表に出席した主演の松平健=
2016年1月18日拡大6月にケーブルテレビに配信予定の時代劇「顔」の制作発表に出席した主演の松平健= 2016年1月18日
 根強い人気をもつ時代劇が地上波テレビから次々と姿を消し、主な舞台をBSやCSといった衛星放送に移っている。民放ではスポンサーがCMのターゲットを若年層に置き、高齢者を嫌うためだ。視聴者の年齢が高いNHKもより若い世代を取り込もうと、4月からは時代劇を平日のゴールデンタイムから外した。その一方で、CSの「時代劇専門チャンネル」は自ら時代劇の制作に乗り出している。

 「時代劇は瀕死の状況にある。文化の危機を感じている」。衛星向けの日本映画放送の杉田成道社長は1月18日、松平健主演の時代劇スペシャル「顔」の制作発表会見の冒頭でこう切り出した。

  昨年12月、フジテレビは人気シリーズ「鬼平犯科帳」を今年末から来年初頭に放送する前後編のスペシャル2本で終了させる、と発表した。89年から始まった池波正太郎原作の情緒あふれる時代劇は、150本の節目で終止符が打たれることになった。

  NHKも日曜夜の大河ドラマとは別に編成してきた木曜午後8時からの時代劇の番組枠を、4月からは土曜午後6時10分に移す。高齢者の視聴者が多いNHKでは「働く視聴世代にもっと見てもらいたい」(板野裕爾放送総局長)と、4月改編の狙いを説明している。

  その一方で、テレビ東京は今年後半、8年ぶりの連続時代劇となる「石川五右衛門」を市川海老蔵の主演で放送する予定という動きもある。

  杉田氏が社長をつとめる日本映画放送は、CSデジタルのスカパー!やケーブルテレビ向けに提供する「時代劇専門チャンネル」(視聴可能世帯813万)と「日本映画専門チャンネル」(同745万)を運営している。TBS「水戸黄門」の打ち切りなど地上波から退潮する傾向にある時代劇の制作に自ら乗り出したのは2011年の「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」からだった。スカパー!の協力を得て松竹で撮影した。

  スカパー!、BSフジと組み昨年10月から今年2月にかけて放送した藤沢周平シリーズ4作を含め、計11本のオリジナル時代劇を手がけてきた。4Kで撮影する「顔」は共同制作するケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(JCOM)が6月にオンデマンドで配信したあと、時代劇専門チャンネルで放送する予定だ。JCOMの佐々木新一会長は「時代劇専門チャンネルは視聴率が高く、加入動機となっている」と言っている。

  年配層を中心に根強いファンがありながら時代劇が地上波で重視されないのは

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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞記者

朝日新聞記者。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを歴任。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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