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ハリルジャパンが目指す次なるステップ(下)

停滞する若手の成長がなければ、最終予選で失速の恐れも

増島みどり スポーツライター

「欧州組」と「国内組」ではなく、「成熟組」対「新鮮力組」へ

 3月、Jリーグの選手限定での合宿が3日間のみ行われた。Jリーグの協力もあって実現したキャンプだったが、2次予選2連戦に呼ばれた国内の選手はGKをのぞくと8人。さらに守備陣をのぞけば4人と、そのリーグの「旬」や勢いを示す攻撃的ポジションの選手は少なかった。1位通過をかけた3月29日のシリア戦の先発にJリーグから名を連ねたのはわずか3人だった。

アフガニスタン戦の後半、追加点となるシュートを決める清武=2016年3月24日、埼玉スタジアムアフガニスタン戦の後半、追加点となるシュートを決める清武=2016年3月24日、埼玉スタジアム
 メディアでは「国内組」と、「欧州組」といった分類が一般的に使われるが、監督が最終予選に向けて行うのは恐らく、「いつもの選手組」と、「虎視眈々と次を狙う選手組」といった分類のはずだ。今回、ハリル態勢で初めて招集された長身(194センチ)のハーフナー・マイク(デンハーグ)の言葉は、従来の欧州組と国内組の分類に、監督が満足していない様子がうかがえる。

 「もしかしたら今回(2連戦)が呼んでもらえる最後なのかもしれない。高さも含めて、全てをアピールしなくては」
監督が、こうした話を選手にミーティングで積極的にしているから出るコメントだ。監督はアフガニスタン、シリア戦メンバーの発表の際に、こうも話した。

  「若手には素晴らしい才能に溢れる選手もいる。忍耐強く起用していくしかないのだが、(彼らの奮起を)10年も待ち続けるような時間はない」

  代表をリードしてきた選手たちの充実ぶりに、伸びしろや若手の成長が追い付けなければ「停滞感」を招く。それが、過酷な最終予選中の失速につながるリスクもある。

  100試合を達成した岡崎は試合後

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