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フェルナンデスはなぜ羽生結弦に勝ったのか?

世界選手権に合わせたピーキングの見事さ

青嶋ひろの フリーライター

 2016年世界選手権、男子シングル。

コーチらと記念撮影におさまる羽生結弦(最前列右)とハビエル・フェルナンデス拡大コーチたちと記念撮影におさまる羽生結弦とハビエル・フェルナンデス(前列左)
 とにかくハビエル・フェルナンデス(スペイン)ただひとりに、すべてを持っていかれた試合だった。

 ショートプログラムの上位選手――羽生結弦、パトリック・チャン(カナダ)、宇野昌磨――がジャンプミスで次々に崩れていく中、ただひとり、4回転3本を含めた演技構成を完璧に決めて見せる。

 もうそれだけで、今年の世界チャンピオンとしての資格十分だ。

 しかし、ボストンTDガーデンを埋め尽くした人々が総立ちで讃え、「2016年のハビエルは凄かったね!」と、ずっと後まで語り草になるだろう演技。

 それを見せてのチャンピオン、いや、ただのチャンピオンではない、あまりにもインプレッシブなチャンピオンに、彼はなってしまった。

軽すぎるプログラムに思えたが……

 大観衆を沸かせたフェルナンデスのフリーは、「ガイズ&ドールズ」。軽快なブロードウェイミュージカルのナンバーはさまざまな歌手に歌われているが、振付師のデイビッド・ウィルソンが選択したのは、フランク・シナトラバージョン。もちろん、開催国・アメリカでの客受けを考えてのことだ。

 しかしシーズン当初、トップ争いをする選手のプログラムにしては、いささかラフで、軽すぎるようにも思えた。 ・・・ログインして読む
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筆者

青嶋ひろの

青嶋ひろの(あおしま・ひろの) フリーライター

静岡県浜松市生まれ。2002年よりフィギュアスケートを取材。日本のトップ選手へのインタビュー集『フィギュアスケート日本女子 ファンブック』『フィギュアスケート日本男子 ファンブック Cutting Edge』を毎年刊行。著書に、『最強男子。 高橋大輔・織田信成・小塚崇彦 バンクーバー五輪フィギュアスケート男子日本代表リポート』(朝日新聞出版)、『浅田真央物語』『羽生結弦物語』(ともに角川つばさ文庫)、『フィギュアスケート男子3 最強日本、若き獅子たちの台頭 宇野昌磨・山本草太・田中刑事・日野龍樹・本田太一」(カドカワ・ミニッツブック、電子書店で配信)など。最新刊は、『百獣繚乱―フィギュアスケート日本男子―ソチからピョンチャンへ』(2015年12月16日発売、KADOKAWA)。

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