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宇野昌磨には何が足りなかったのか?(上)

早すぎた成長。気楽さを味わえる時間が短すぎた

青嶋ひろの フリーライター

 18歳の宇野昌磨の、初めての世界選手権。

 初めて経験する大きな試合に、ワクワクした様子もない。

 初めて経験するピリピリしたトップ選手たちのムードに、萎縮する様子もない。

公式練習の後、ファンの女性と写真におさまる宇野昌磨世界選手権の公式練習の後、ファンの女性たちと写真におさまる宇野昌磨=アメリカ・ボストン
 「練習から、ずいぶん怖い顔ばかりしている。なんだか昌磨らしくないね」

 すでにグランプリファイナルで3位に入り、世界ランキングも3位。

 ショートプログラムもオリンピックメダリストたちに交じって最終グループで滑る彼は、もうフレッシュな新人ではなかった。

 優勝を狙った四大陸選手権で振るわなかったぶん、今大会は上位入賞を狙いたいところだろう。

 しかし引き締まった顔つきで淡々と練習をこなす彼の姿を見て、頼もしさとともに一抹の寂しさ

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(残り:約1601文字/本文:約2004文字)