杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター
1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
不倫は当事者以外の人へのセクハラにもなる
(中)では、セレブリティの不倫報道で、強く批判されるケースと、さほど叩かれないケースの違いについて書いた。(下)では、そもそもどうしてこんなに不倫が御法度という時流になっているのかについて言及したい。テレビ番組をみていても、中高年の司会者やタレントが"不倫擁護"のコメントをしているのを見かける。彼らからすると、不倫がどうしてこんなに問題視されるのかが理解できないのだろう。
ある男性司会者がベッキーを擁護するために、「テレビの視聴者のメインは中高年の主婦層。彼女たちは不倫を嫌う」という趣旨のコメントしていた。しかし、実際、不倫に不寛容なのは、若い人たちなのではないか。大学教員など若い世代との交流が多い職業人たちも「今の若い子は不倫を嫌う」と話している。世代を問わず、不倫を嫌う声が高くなっているのだ。
ひとつには、ネットの普及で、一般の人たちの声が表面化するようになったこと。もうひとつは、やはり職場や学校で「ハラスメント」の意識が強まっているからではないか。
20年以上前には、大企業においても、男性社員が女性社員の身体を触っても「スキンシップ」として許されていた。1990年代前半、私の友人は有名大学を卒業し、大手外資系企業に勤務していたが、「部長がお尻を触ってきて"お前、今日はガードルをはいているな"って言ってくる」と話していた。私はその話を聞いて、不快感を持ったし、"怖い"とすら思ったが、友人は
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