リオの前哨戦「ワールドリーグ」で強豪と競り合ったポセイドンジャパン
2016年05月18日
ゴールデンウィーク中の夏日、日体大(横浜市)で行われた公開練習には数十人もの報道陣が詰めかけ、プールサイドは立っているスペースもないほどの大混雑となった。
リオデジャネイロ五輪に、1984年ロサンゼルス五輪以来の出場を果たしたポセイドンジャパンへの期待感なのだろう。報道陣にもただ人数が多いだけではない「彩り」もあった。
この日は強豪の一角、オーストラリアとの練習試合も行われ、高校まで水球競技者だった吉川晃司氏もNHK「SONGS」中に水球を取り上げるためプールサイドに登場。セットが設置され、インタビューシーンが撮影されていた。現時点でリオに出場を決めている男子団体球技は、水球とラグビー(7人制)とサッカー。サッカーは日本代表への声援として定着しているが、ラグビーや水球と、日頃知られる機会がない競技にもこうしたスポットライトがあてられるのはオリンピックならではの光景でもある。
欧州の強豪、クロアチアリーグでプレーを経験のある志賀光明(24=登利平所属)が、ていねいな取材対応の後、「取材にこんなに来て頂けるなんて本当に驚きました。オリンピックに出て初めて、期待がどういうものなのか、目に見えて実感した気がしました」と驚いた様子で話していた。
選手にとって、「見られること」ほど大きな励みはないはずだ。
かつては「体格的にも勝てっこないだろう」と思われた競技が注目される背景に、昨年のラグビー日本代表がW杯で見せた大躍進がある。ファンの関心は結果だけに寄ってしまうのではなく、その戦い方における「日本らしさ」にあり、ラグビーのインパクトは日本のチーム競技全般にポジティブな要素を今ももたらしている。
エディ・ジョーンズ監督と選手たちが世界を驚かせたのが「陸のジャパン・ウェイ」ならば、水球は「水のジャパン・ウェイ」だろうか。リオに向けて世界的にも例のない、いわば型破りな戦術を採用し、現在磨きをかけている。「パスライン・ディフェンス」と呼ばれる戦い方だ。
水球(7人)では、ゴール前をゾーン5人で守るのがいわばセオリー。日本代表は体格では欧州勢には勝てないが、
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