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フィギュアスケートの振付プロセスと名プログラム

音楽の選定から、「心に残るプログラム」ができるまで

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 日本ではアイスショーも数多く開催される夏の間、一般的に選手たちはどう過ごしているのか、と聞かれることがよくある。

 フィギュアスケートのオフシーズンは4月半ばからはじまり、この期間中に選手たちは来シーズンのプログラムを制作するために時間を費やす。

 選手によっては、世界選手権が終了した直後からすぐに次のシーズンのプログラム制作作業に入るスケーターもいる。

 誰がどの振付師を選び、何の音楽で新プログラムを振り付けるのか、ファンたちは楽しみにしているのである。

 この機会に、フィギュアスケートにおける振付のプロセスと、「名プログラムとは」というテーマに改めて触れてみたい。

プログラムの制作プロセス

羽生結弦拡大羽生結弦の「SEIMEI」は2015-16シーズンの記憶に残るプログラムに
 通常、プログラムの振付はまず音楽選びからはじまる。

 昨(2015年/2016年)シーズンの羽生結弦の「SEIMEI」のように、スケーター本人が滑りたいと希望する音楽を持ち込む場合と、振付師のほうでいくつか候補をあげてくる場合があり、その過程はケースバイケースだ。

 売れっ子の振付師の場合、音楽エンジニアとチームを組んでいることも多い。振付師の好みを熟知している音楽エンジニアが色々な曲を集めてきて振付師に紹介し、プログラムに採用された曲のミキシングも担当する。

 従来のクラシック音楽だけでなく、トレンドを意識した選曲、一風変わったアレンジの音楽もあるのは、こうした音楽の専門家の存在が陰にいるからだ。

 いったん音楽が決まったら、 ・・・ログインして読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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