京都好きが高じて移住する若者がいる一方で、礼金・敷金と更新料が障害に
2016年07月05日
南禅寺を散歩していると、山門の楼上に石川五右衛門が現れて、「絶景かな、絶景かな!」と見得を切っていた。京都に暮らせば、こんな時空を超えた不思議に出会う。
ちなみに、このとき遭遇したのは市川海老蔵演じる石川五右衛門で、時代劇のロケであった。テレビの撮影なので声を張らなくてもいけるだろうに、海老蔵の五右衛門は気魄に満ちていて、その声は広い南禅寺の境内に響き渡っていた。
先頃取材した絵本専門の書店「nowaki」の店主も、東京から京都へ越してきて、古い町家で好きな本の店を開き、職住一体の暮らしをしている。聞けば、京都には何の縁もないという。結婚を機に京都に来て所帯を持ったそうだが、夫婦そろって絵本から飛び出てきたような、若くて可愛いらしいふたりは、ともに初めての京都暮らしである。
他府県で数年働き、結婚後を京都で暮らす若い人に折々出くわす。なにも町家で作品を発表するといったアーティスティックな暮らしでなくても、ごく普通のサラリーマンでも京都移住世帯がある。
京都市交通局の窓口で、いつも笑顔で対応してくれる受付の女性も、京都好きが高じて引っ越してきた
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