現代日本の多数派の心情に沿う「責任主義」という考え方
2016年07月12日
繰り返すあやまちの、そのたび人は、ただ青い空の、青さを知る。 覚和歌子『いつも何度でも』
罪なき者、先ず石を擲(なげう)て ヨハネによる福音書第8章第7節
死刑について論じた文章(以下、この文章では「死刑論」として引用する)に続いて、犯罪について考えてみたい。
まず、近代刑法の最重要原則の一つである「責任主義」について簡潔に説明しておこう。
責任主義とは、「行為者(犯罪に該当する行為を行った者)に対する責任を問うことができない場合には、刑罰を科すべきではない」という原則である。
この原則を受けて、日本の刑法も、責任能力を欠く者の行為を処罰しないことを規定している。具体的には、心神喪失者すなわち
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