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”AV出演強要”報道に対する反発の理由(上)

現役人気AV女優たちが「事実と異なる」とコメント

杉浦由美子 ノンフィクションライター

アダルトビデオを見る18歳=2001年、東京都内拡大アダルトビデオを見る18歳=2001年、東京都内
 AV出演強要問題が大きく報道され、社会問題として注目され、6月11日には、大手AVプロダクション「マークスジャパン」の社長らが労働者派遣法違反の疑いで警視庁に逮捕された。この問題がクローズアップされるきっかけは、認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウが今年3月に公表した「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」である。

  この報告書では、AVへの出演を強要されるケースが相次いでいると指摘し、メディアもそれらを大々的に取り上げたが、一方では、元AV女優で現在作家の川奈まり子氏や、現役人気AV女優たちが「事実と違う」と反論を訴えている。今回は、AV出演強要問題に、なぜAV女優たちが強く反発するのかを考えていきたい。

当事者たちからの反論も多数

 7月15日に毎日新聞が配信した記事の中で、匿名ながら現役人気AV女優のA氏が取材に応じている。彼女は友人の元AV女優B氏がAVの撮影だと知らずに現場に派遣されたことを語っている。そして、こうもコメントしている。

  「Aさんは、Bさんのように現場で初めてAV撮影だと知らされるケースは『(他にも)ないことはないと思う』と証言。一方、出演強要被害が社会問題として大きく取り上げられることについては、『職業差別を助長するんじゃないか』と懸念を示した」

  A氏がこの取材に応じたのは、一連の騒動が「差別を助長することの危険性」を訴えたかったからだと推測できる。そして、その部分をカットせずに掲載したこの記事は意味があるものに思える。

 強要がゼロとは言えないだろう。しかしだ。私の知る限りだが、世間の先入観とは裏腹に、AV業界は現在

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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