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”AV出演強要”報道に対する反発の理由(中)

なぜアダルト業界はクリーンになったといわれるのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 AV出演強要被害が社会問題化している。しかし、当事者であるAV女優たちからは、「事実と異なる」という反論が多く出ている。それらの意見の中でも指摘されているように、1990年代までは、AVは”怖い業界”であった。リアル「実録レイプ」作品も横行していた。だが、現在は、クリーン化が進んでいる。理由としては、社会のコンプライアンス意識の高まり、警察の指導の強化、そして、さほど儲からないビジネスになったことが挙げられる。うま味が少ない業界からは、裏社会は手を引く。また、AV業界の中心を、規模の大きな企業が占めるようになったために、まっとうな業界に変化した。今回はAV業界で、AV女優がどう扱われているかを紹介していきたい。

取材は女性ライターが担当する

  AV女優も現代を生きる若者なので、そうそう大人の言いなりにならない。自分の権利や意見をきちんと訴える。最近、AV女優の取材は女性ライターが担当することが多い。AV女優への取材はセックスの話題が中心になる。性にまつわることを話すならば、女性ライターの方にしてくれ、という要望があるからだ。

夜になると、道行く女性にホストやスカウトらが声をかける=2004年、東京都新宿区歌舞伎町1丁目拡大夜になると、道行く女性にホストやスカウトらが声をかける=2004年、東京都新宿区歌舞伎町1丁目
  女性作家に「セックス」をテーマに取材する時は、カメラマンやライター、編集者を全員女性でそろえていくことが多いが、AV女優に対しても同じような配慮がいる。セックスワーカーであろうと、それ以外の女性と同様に気配りが必要になっている。

  AVのクオリティはなにで決まるかといえば、女優のモチベーションや表現力だ。

  元アイドルがAVに出演した時に、男性記者たちが「クオリティが低い!」と怒っていた ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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