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天気予報を「革命する」ゲリラ豪雨予測

神戸・理化学研究所のスーパーコンピューター「京」を使って実現

前田史郎 朝日新聞論説委員

 午後4時ごろ、東京都中央区○○町○丁目でゲリラ豪雨が降ります――。こんなピンポイントの豪雨予報が、近い将来、現実になるかもしれない。短時間に集中的に雨が降るゲリラ豪雨は、都市部などで大きな被害をもたらす。しかし積乱雲の発達は局地的で、いまの技術では正確な予測が難しい。スーパーコンピューターや最新のレーダーを駆使した研究が、「不可能を可能にするかも」と注目を集めている。

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 神戸市のポートアイランドにある理化学研究所の計算科学研究機構。ここで、三好建正チームリーダー(39)らが、ゲリラ豪雨の予測に挑みはじめたのは3年前だ。

スーパーコンピューター「京」=2016年8月26日、神戸市中央区港島南町の理化学研究所計算科学研究機構スーパーコンピューター「京」=2016年8月26日、神戸市中央区港島南町の理化学研究所計算科学研究機構
 気温や風速などの実際の観測データと、シミュレーションを融合した「データ同化」という手法で、大気の動きを予測する。いわゆるビッグデータを活用した技術革新が、チームの目標だった。

 ゲリラ豪雨は、1時間に50ミリ以上の強い雨が数キロの範囲で短時間に降る現象。発達した積乱雲が原因だが、空間、時間スケールとも、気象現象としては非常に小さい。

 現在、気象庁は、2キロメッシュで1時間ごとに新しい観測データを取り込んで予報している。それでも積乱雲の寿命の短さ、範囲の狭さなどから、

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