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フェミニズムとは小池百合子のことである(上)

“下品”と揶揄されても、キャリアをつかみ取っていくこと

杉浦由美子 ノンフィクションライター

就任後初の定例記者会見をする小池百合子東京都知事=2016年8月5日、東京都新宿区の都庁拡大就任後初の定例記者会見をする小池百合子東京都知事=2016年8月5日、東京都新宿区の都庁
 女性初の東京都知事として、小池百合子が選ばれ、就任した。豊洲市場盛り土問題も、小池都知事だから、全国的に注目されるわけであり、ある種の力を持っている。今回はフェミニズムの視点で、小池百合子を見ていきたい。

 私が小池百合子という政治家に興味をもったきっかけは、ある記事の取材だった。

 『婦人公論』(2007年9月7日)で当時ベストセラーだった『女性の品格』(PHP新書)を取り上げる記事を書いた。その際、私は、当時人気女性エッセイストとして君臨していた蝶々をインタビューした。銀座でホステスの経験がある彼女が書いた『小悪魔な女になる方法』(大和書房)は50万部のベストセラーになった。その蝶々のインタビュー中で小池百合子の話題が出てきたのだ。

  彼女はこう語った。

  ”「品格」という概念も時代とともに変化しています。私は経験したことを包み隠さずエッセイに書くので、昔の価値観を持つ人からは「下品だ」と批判されることもありました。しかし、今の時代、どういう行動をとったから「下品だ」ということはないのです。重要なのは、その行動に信念があるか、責任を持てるか、ということ。私はそれが現代の「品格」だと考えています。防衛大臣の小池百合子さんは一部のメディアなどで「女を武器にして」「男に媚びて」と批判されています。でも、小池さんが女っぽくクネクネとしなを作りながらも、責任持ってやるべき仕事をこなしているなら「品格」があると評価すべき。反対に本人が清潔な振る舞いをしているつもりでも、何もなしえない女性議員に「品格」があるかと言われると疑問です”

  このインタビュー取材では他にもたくさんの話がでたが、私はこの箇所を面白く思い、これを取り上げた。

  記事を書いた後、2010年ぐらいに、社会学の研究者と食事をした。その場で、話題になったのは、「今、フェミニズムは求められてないのか」という点だった。かつては上野千鶴子、小倉千加子、斎藤美奈子といった ・・・ログインして読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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