「世界最高得点の更新はできると思う」
2016年09月27日
フィギュアスケートの振付プロセスと名プログラム――音楽の選定から、「心に残るプログラム」ができるまで
フィギュアスケートの振付、勝敗を分けるものは?――五輪に向けて、プログラムを冒険するチャンス
振付師ジェフリー・バトルが9月13日、トロントのクリケット・クラブで会見を行い、羽生結弦の新しいSP(ショート・プログラム)について、様々な思いを語った。
2008年男子シングル世界選手権チャンピオンであるバトルは、頂点に立った半年後に競技からの引退を宣言。アイスショーに出演する傍ら、本格的に振付師として活動をはじめた。
現役時代から特に表現力を高く評価されていたバトルだが、羽生結弦のプログラムを手がけたのは2012年に公開したゲイリー・ムーアの「パリの散歩道」が最初だった。当時の歴代SP最高スコアを何度も更新させ、羽生のソチ五輪金メダルへの鍵ともなった作品である。
「今シーズンは、オリンピック前の最後のシーズンということで、何か新しいことを試したり、タブーに挑戦したりするのに良いタイミングだと思いました」とバトル。
昨(2015-16)シーズンとその前の2年、羽生が滑ったSP、ショパンのバラード第1番もバトルによる作品だった。羽生は昨シーズンのNHK杯とGP(グランプリ)ファイナルの二度、この作品を滑って世界歴代スコアを更新させている。
だが今年はまた違ったイメージのものを本人が希望した。
「曲を選ぶ前に、ユヅと話し合いをして、どういった方向に行きたいのか、クラシック系に留まりたいのか、という話をしました。『何かこれまでのものとは違うものに挑戦してみたい』」という彼に、ぼくは同意したんです」
この間、さまざまな音楽を聴いてみたが、4月に亡くなったアーティスト、プリンスの音楽を聴いたとき、テンポも気に入り、羽生の滑りに合っているのではないかと思ったのだという。
「クレイジーなことをやってみようというコンセプトだったので、タイトルもぴったりだった。ユヅもブライアン(オーサー・コーチ)も、このアイディアをすぐに気に入ってくれました」
この振付のコンセプトは、
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